この物語は・・・
ここまで来たらご存知、熱血教師たちの記録である(笑)
授業の最後にディスクドッヂのゲームを行った。
ディスクドッヂとは、ドッジボールをボールではなく柔らかいドッヂビーで行うゲームである。
この時点で子供たちがゲームを楽しめることは決定的だが、楽しむだけが授業ではない。
スポーツにはルールとマナーがあること。
そして最初と最後の挨拶はとても大事だということ。
それをきちんと伝えてからゲームを始めた。
ドッジボールでは目立つ子と苦手な子とはっきりしていたかもしれないが、
このドッヂビーには境界線など存在しない。
ましてやこの授業でドッヂビーの投げ方、取り方を学んだ子供たちに、
もう臆するものなど何もなかった。
男の子の投げたドッヂビーを女の子が積極的にキャッチする姿が、あった。
先生も童心に還って楽しんだ。
我々もその姿に心動かされた。
思わずマイクを取り、ルール説明や実況を交えながらドッヂビーの心を伝えた。
子供たちもそれに応えるように、躍動した。
その記録が残っていた。
男の子も、女の子も、そして先生も、正しく境界線を越えてドッヂビーで一つになった瞬間だった。
スポーツで学べることは単なる勝敗や優劣だけではない。
社会で生きて行くために必要な社交性や協調性を学ぶことができる。
ドッヂビーのようにボーダレスなスポーツであれば、
どんな子供たちにも平等にそれを伝えることができる。
伝える側はそれを忘れてはいけない。
ドッヂビーをただのぶつけるゲームにしてはいけない。
我々はドッヂビーの心を伝えに来たのだ。
きっと子供たちは理解してくれる。
今はわからなくてもいい。
大人になってドッヂビーがあったから人生が変わったと思ってくれる子が
一人でもいてくれたら嬉しい。
そう信じて、我々は学校を後にした。
続く