去る2006年10月11~14日に開催されたUnited States Disc Golf Championship 2006 (開催地:サウスカロライナ州ロックヒル)の遠征レポートです。
USDGCは1999年から毎年同じ時期、同じ場所、同じ主催者で開催されている世界最高レベルの大会です。賞金額もPDGAワールドを除いて世界最高額であり、参加料も世界最高額です。競技はTee-Time方式で1日18ホールを4日間で争われます。コースは4日間変わることなく同じコースをラウンドします。
好天、無風、適温の絶好のコンディションで迎えた予選初日。この日の為にそれぞれが準備をしてきた。梶山学選手に至っては、その成果がこの後の快進撃となって、脚光を浴びることとなる。プレーだけではなく、3選手はそれぞれに他の参加選手とも親睦を深めることができたようだ。梶山兄弟は、ジャパンオープンに来ていた選手には十分に認識をされていたし、川崎さんは8月のPDGAワールドへも参戦していたことから「Atsu(アツ)!」と、よく声を掛けられていた。何日か雨の予報も出てはいたが、大きな崩れは無く概ね天候にも恵まれた。私は絵葉書の写真のようなコースの緑と、突き抜けるように深く青い空を眺めながらプレーできる悦びを感じずにはいられなかった。
チームジャパンのトップを切ってのスタートを控え、黙々とパッティングの
調整を続ける梶山学選手。
学選手のファーストスロー。快進撃が静かにスタートを切った瞬間だ。
弟、学選手の立ち上がりを見守る兄、能安選手。
1番ホールのティーエリアで集中を高めながら、自分の出番を待つ能安選手。
スタート直前の表情。刻一刻と迫る。
能安選手のファーストショット!
スタートを前に同じ組の選手たちと握手を交わす川崎選手。
スタートコールを受ける。
お見事! スタートをバーディーで飾る。
クラブハウス周辺にはそびえ立つ木々が程よい木陰を作ってくれていた。それらの木々から不規則に落ちてくる「どんぐり」。選手の集中で静まりかる空気の中、落ちた瞬間に高く乾いた音が響く。
ロングホールでは前の組の進行状況によって待ち時間も長くなる。1st.ラウンドを58の10アンダーで回った写真左のバリー・シュルツは、そんな待ち時間にも集中を切らさず、自身もディスクも完璧にコントロールしていた。全く危なげないそのプレー振りはまさに「異次元」そのもの。
初日のプレーが終わった。学選手64の4アンダー、能安選手69の1オーバー、私は70の2オーバー、川崎選手が77の9オーバーという結果。
初日を終え、夕食の後の一枚。明日のスタート表を手に、自分のポジション
をそれぞれが指し示している。
2ラウンド目の朝。私は川崎さんのスタートに同行することにした。
朝靄の立ち込めるフィールドでウォームアップを始める川崎選手。肌寒さで吐く息もうっすらと白い。芝に積った露でディスクも靴も直ぐに濡れた。芝の上には足跡がつくほど。
朝陽が木の葉の隙間から差し込み、霞の線を照らし出している。空はこの日も高く青かった。
ショップも徐々に賑わいを見せ始めていた。
室内に設置されたモニターでは、オンライン・ライブ・システムにより、ほぼリアルタイムでトップグループのプレーの様子が実況中継されていた。選手が何投目をどこに投げたのかを数字と色で識別ができるようになっている。
1番ホールで今年もスタートコールを担当しているアンディ・グリーンに、呼び止められ、手渡された新聞紙を見てびっくり。頂いてきました。
おしゃべりインコに「Hello!」と挨拶され、また驚き。
自分のプレーが終わると、やはり気になるのは弟の動向。今回、この兄と一緒だったことも学選手にとっては心強かったことだろう。
18番ホールにようやく学選手が姿を現す。
学選手は2ndラウンド目を5アンダーで終える。実に落ち着いていた。
ホールアウト直後、満足の表情を浮かべながら兄と談笑。
この日の夕食ではステーキを平らげ、明日への鋭気を養った。
トーナメントはいよいよ後半戦に突入し、上位争いも熾烈を極めていた。予選3ラウンド目は毎回最も重要なラウンドになる。好調を維持したいと思う選手、挽回したいと思う選手、昨日までの調子をどのように調整をして臨むか、最も集中を要するラウンドといってよいだろう。
選手の為にスタッフが焼いてくれるハンバーガー。美味しかった。
15番ホールの学選手。川崎さんがキャディーとしてついている。同じ組でプレーしているのは、ケン・クライモ、ディーン・タノック、ティム・ギル、といった世界のトッププレーヤー達。
17番アイランドホールでのケン・クライモ。
同じホールでの学選手のティーショット。堂々たるプレー振り。
3ラウンド目を終え、安心と余裕の笑顔。完全にプレーの構成を掴んでいるといった感じで、全く危なげがない。これで3日続けてのアンダーパープレーでスコアも驚異の12アンダーまで伸ばした。トップは31アンダーでバリー・シュルツが圧倒的な強さを見せ付けていた。
クラブハウスに立ち寄るとDISC GOLF HALL OF FAME(ディスクゴルフ殿堂)の記念盾がずらりと並べられていた。
今年この殿堂入りを果たしたKozo Shimboのプレートもあった。
恒例のプレーヤーズパーティー。ホテル裏の駐車スペースが特設会場となる。今回のメンバーは酒も煙草も嗜まないので食事とおしゃべりがメインだった。
お腹も膨れ、大満足?の3選手。
室内に戻ると、ケン・クライモ選手の姿が。学選手とは最終日も同じ組でプレーする事が決まっていた。巨人を間に兄弟で記念撮影。
当初、最終ラウンドへのカットアウト(予選カットライン)は無いとの情報があったが、結局は昨年同様152位タイまでが決勝ラウンドへ進出する事になった。川崎選手は惜しくも進出を逃したものの、むしろ学選手のキャディーとしてその場に立ち会える事の方を、心から楽しみにしているようだった。
パーティーで、ディーン・タノック選手と。
次回は、Part4 12/13(水)更新 「ついに最終日を迎えて・・・」です。お楽しみに!