HOME > Event/News
Event/Competition

USDGC 2006 Web報告

USDGC 2006

去る2006年10月11~14日に開催されたUnited States Disc Golf Championship 2006 (開催地:サウスカロライナ州ロックヒル)の遠征レポートです。

USDGCは1999年から毎年同じ時期、同じ場所、同じ主催者で開催されている世界最高レベルの大会です。賞金額もPDGAワールドを除いて世界最高額であり、参加料も世界最高額です。競技はTee-Time方式で1日18ホールを4日間で争われます。コースは4日間変わることなく同じコースをラウンドします。

Team JAPAN 出場選手紹介

最終回 「それぞれのUSDGC」

今回参加した選手達に「自分が感じたUSDGC」についての所感を寄せていただきました。それぞれが初めて体験したUSDGCとはどんなものだったのか。

梶山 学(カジヤマ・マナブ)…最終成績 スコア259(-13) 11位

それぞれのUSDGC(1)

初めての海外遠征で、ワクワクしている自分と、自分の力がどれだけ通用するかという期待と不安が混じった遠征でした。

USDGCに備えてやってきたこと、1つ目はヘビーディスクに慣れることでした。1年前から投げ始めて、150クラスと同じくらい、微調整が出来るくらいまで投げ込みました。ディスクの性能を完全に把握するために使用ディスクはエビア、ロックとドライバーはティーバード、プロレイスの4種類にしました。


それぞれのUSDGC(2)

2つ目はメンタルトレーニングです。僕は欲が出やすいので、欲を出さないように攻め方を変えていきました。OBをしないショットをする。無理にバーディを取りにいかない。などを徹底しました。

会場に着いてラウンドした感想は、難しいの一言です。本当にアンダーパーで回れるのか?と思いました。9番ホールまではバーディチャンスがあるものの、それから18番まではバーディチャンスはほとんどありませんでした。バーディを狙いにいくなら常にOBのリスクがある、そんなコースレイアウトでした。練習ラウンドは3日間で8ラウンド、時間の有る限り回りました。スコアはほとんどが3~6オーバーで、1度だけ2アンダーを出しただけでした。いいスコアであがるなら、1ホール1ホール、確実なショットをすること、OBになったらリカバリーショットはしないでボキーを取りにいくこと、この2つを徹底してラウンドすれば納得のいくラウンドができるのではないかと思っていました。前半1アンダー、後半イーブンもしくは1オーバーで1番最初のラウンドを回れればアンダーパーも夢じゃないなと思いました。初めてのコース、先が読めない状態でアンダーで回るには、1番ホールでバーディをとれば可能性があると思い、バーディスタートで1つ貯金ができることによって精神的に余裕ができて、無理に攻めることが無くなりいいスコアであがれるなぁと思っていました。逆にパースタートだったら、バーディをとらなきゃアンダーパーで回れないという気持ち(欲)が出てそれがミスを誘い、いいスコアであがれないなぁと思ったので、1番でバーディを取るか取らないかが、僕に取ってキーポイントとなるホールになるだろうと思いました。


それぞれのUSDGC(3)

大会初日1番スタート、名前を呼ばれてティーに立ったとき、かなり緊張しました。僕の運命を決めるホールだろうと思って今までで1番集中したと思います。結果はバーディ、この瞬間迷い、不安が全て吹き飛んで、『いける』と思いました。次のホールからは無理の無い攻め方をしていって、一回もOBすることなく、結果4アンダーであがれました。

2日目は、初日自分のやり方でもアンダーパーで回れるとわかったのでリラックスしてラウンドする事ができました。結果5アンダー。

3日目はケン・クライモもと勝負したいなぁ~と思って欲が出て3アンダー。

最終日は悔いが残らないようにやりたいと思い、攻めたくても置いていた所もガンガン狙いにいきました。上手くいかないのがほとんどだったんですけど、最終日は楽しく回れたので良かったです。結果1アンダー。トータル13アンダーでした。

日本人のトッププレイヤーは、誰にでもアンダーパーで回れる技術はあると思います。あとはメンタルだけだと思います。例えば、自分がパーを狙ってティーショットでロックを投げようと決めていて、他の人達がドライバーでバーディを狙いに行くのを見ていてロックを投げられるか、OBになってもリカバリーしないで真剣にボキーを取りにいけるか、パー4のホールの2投目、ゴールまで届く距離なのにバーディをとるのを止めてパーを取りにいけるかなどなど、相手に惑わされない精神力をつければ、世界のトッププレイヤーと戦えるのではないかと思っています。


川崎 篤人(カワサキ・アツヒト)…最終成績 スコア243(+39) 154位タイ(スコアは3R目までの合計)

夢にまで見た世界、まさかそこに行くことが出来るとは思っていなかった夢の舞台がそこにあった。今やPDGA世界選手権よりも良い大会だと言われている大会、そしてあのジャパンオープンが参考にしている大会である。いくら聞いても想像がつかなかった、あまりにも期待が膨らんでいた。その期待を上回る事があるのだろうか、という不安もあった。

しかし、期待を損ねる事は何もなかった。毎日これ程楽しく、そしてワクワクしたディスクの経験は久しぶりだった。最高のコース、最高のプレーヤー達、最高の運営・スタッフ。ディスクゴルフは何と素晴らしいスポーツであろう!皆が楽しみ、選手もメーカーも競い合いながらこの世界を発展させようとしている。皆が生き甲斐にしている。私はこの素晴らしいスポーツに出会えた事を幸福に思った。そして、必ずまたここへ戻って来ようと心に誓った。
それぞれのUSDGC(4)それぞれのUSDGC(5)それぞれのUSDGC(6)

それぞれのUSDGC(7)それぞれのUSDGC(8)それぞれのUSDGC(9)

梶山 能安(カジヤマ・ヨシヤス)・・・・最終成績 スコア289(+17) 88位タイ

それぞれのUSDGC(10)

今回、学とも初めてのアメリカだったのでとても楽しみにしていました。しかも舞台はUSDGC!初めてコースを見たときの率直な感想は『狭っ!』正直ここまでタイトにOBラインが切ってあるとは思わなかったです。何もかもが新鮮でした。次に驚いたのがコースの完成度。全てのホール、全てのショットで考えさせられます。どう投げるか決めきれないまま投げてしまうとほとんどがOBになってしまう印象でした。ディスクチョイス、投げ出す方向、ディスクアングル、高さ、距離、風、体勢、落とす場所・・・一つ一つのショットであそこまで頭を使ったのは初めてでした。


それぞれのUSDGC(11)

出場しているみんながみんな、この大会に照準を合わせて挑んでくるそのなかで結果を出すということがどれだけのことか、身に染みて思い知らされました。あらゆる技術&戦略を要する様々なホール、それを4日間の一投一投に活かせる事の出来る精神力・・・まさにディスクゴルフの極みですね。そんな中でも今回のコースは技術よりも戦略やメンタルの方がかなり高いウエイトを占めていたと思います。しっかりとした戦略を持ち、それを実行することに徹底した学に完敗でした。なによりの収穫は、実際ラウンドして思ったことですが日本人のレベルでも十分通用するってことです。(正確に言うと、通用するようになってきている)これは学の結果により、日本のみんなにも伝わったことだと思います。
僕達があの大会を通じて一番感じたことは“コースに育てられた”という感覚でした。言葉で言い表すことは難しいですがあきらかに、大会前とはちがった意識でプレイするようになりました。ぐっと世界との距離が縮まった気がします。来年も絶対行ってやる!!!


それぞれのUSDGC(12)それぞれのUSDGC(13)それぞれのUSDGC(14)

高橋 宏樹(タカハシ・ヒロキ)…最終成績 スコア314(+42) 146位タイ

それぞれのUSDGC(15)

このプロジェクトにおける私達ヒーローの仕事は、この遠征に関わる代表選手たちへのサポートです。交通手段や宿泊先の手配、エントリー手続きなどなど、選手個人が海外のトーナメントを目指す際には、それらがプレー以外での大きな障害となり、本来の力はなかなか発揮しきれないものです。現地では、会場やホテルなどのロケーションをはじめ、初めての場合では尚更わからないことだらけ。言葉が通じないことが追い討ちをかけて精神的ストレスは無意識のうちに大きな負担となってしまいます。派遣事業をスタートして実質3年目の今年は、私自身も4度目となり、全体の流れは把握していました。


それぞれのUSDGC(16)

選手たちがプレーに専念できる環境を可能な限り整え、この場所でしか得られない貴重な経験をしっかりと心に刻み付けてほしい。日本の仲間に、そして次世代の後輩たちにその「自身が見てきた世界」を大いに見せてあげて欲しい、と切に願っています。先人たちの多くの失敗と、小さな成功の上に、更に大きな成功は導かれていくのだと思います。USDGC2006は終わりました。2007年、今度は誰がどんな思いを込めて世界にチャレンジするのか。私たちはその為のサポートを惜しみません。

では、来年USDGC07でお会いしましょう!


それぞれのUSDGC(17)それぞれのUSDGC(18)それぞれのUSDGC(19)

Table of Contents